③助産師の出産レポ【1人目】

助産師が勤務先で出産する話、3話め。

必死で客観的に分娩経過を予測している主観を振り返っています。。笑

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②はこちら



産まれる4時間前、まだ自宅におります。

★39w1d

0時すぎ トイレに行く。結構痛いのに、出血は付着程度しかなくて絶望。

(せめてドロッとしたいい感じの出血があれば、分娩が進行している目安になるため。)

出血の観点だけでみれば、分娩が進んでいるとは言い難いけど

痛みの加速からすれば、たぶん陣発はしてるな、と思う。

さてここからスムーズに進行したとしても、内診初見3cmスタート(38wの外来診で2.3cm40%-2)で

22時陣発→朝方5.6cm、9時ぐらいに全開して午前中分娩とかかな…

とすると先が長いなぁ痛いなぁ、こりゃつらいぞ…でもきっと23日が誕生日だ、頑張るぞ、などごちゃごちゃ考える。


陣痛発作時に胎児がしゃっくりをしていて、痛みが増強する。

下腹部が大変鋭利なものでゆっくり差し込まれるような痛み、自分の髪の毛を抜けるぐらい思い切り引っ張ってやり過ごす。

痛いけどまだこんなもんじゃないやろ…と思ってたけど、振り返ると結構狂気的な絵面だった。




とりあえず寝るのは諦めて、楽な姿勢を探す。ソファーにセミファーラー位になってみる。

まだ腰は痛くないので夫は起こさない。

(腰をさすったりお尻をおさえてほしいという痛みになったら起こす予定だった)




間欠時は余裕あるのでウロウロして気を紛らわせる。

たぶん3cmくらいだろうな、とか思う(振り返るとこのへんで4cmはいってそう。3cmと4cmの差は大きいのです)。



1時 立ってる方が楽?ゼリー摂取。 

いつ終わるのかなー、今何センチかなー、夜勤さん誰だろなーとか考えながらリビングを徘徊。


腰が痛くなったら夫を呼ぼう、と決める(体力温存のため別室で寝てる)。

陣痛きたらおしっこをちびりそうになるので、頻繁にトイレへ行く。

なるほど、陣痛ってこんな感じで始まってこんな感じで強くなっていくんだな、と興味深く感じる余裕はあった。


トイレに行くたびに陣痛が強まる。

下腹部に刃物がさしこむような痛みから、徐々に下半身に響く感じでだいぶ辛い、なんだこれは、と思う。

けど腰をさすったりお尻押さえてほしいって感じではないから、夫を起こすか迷う。

内診する元気はないけど、まだ4-5cmな気がする。

6-7cmとか開いてるならもっと声が出る気がする、息を吐いてこらえられてるし、

もっと痛くなってきてから夫を起こす方がいいかなー、とか色々考えたけど、やっぱり陣痛どんどんくるし強さも明らかに加速してるから

2時前、電話で起こす(たぶんこのへん6cmは開いてる)

間欠時(陣痛が来ていない時)は余裕あり、もう一段階声が出るようになったら病院に電話する、今は手を握っててほしい旨のみ端的に伝える。


妊娠後期に腰のさすり方、お尻の押さえ方を何度もレクチャーしていたので、夫もこれみよがしにトライしてくれたが、私からは「やめて」の一言しか出なかった。

何故なら腰は痛くない 、とにかくお腹が痛くて、ボーリングの球がごんごんお尻に下がってくるつらさでいきみそうになる(というかたぶんこのへんで共圧かかっていきんでたから破水して開いた)。



何かを握っていたくて、とりあえず夫の手の握って、息を吐くことに集中。

陣痛アプリは使わなかったけど、夫が時計見ててたぶん2分で陣痛きてたらしい。

夫は間欠時を見計らって着替え、入院バッグの支度をして、発作時は必ず戻ってきてくれた。

手を握るだけで、誰かがそばにいてくれるだけで十分なんだなあと感心した。




2:18 トイレに座る。めちゃめちゃいいおしるし出てる、というか出血が多い。高位破水か、頸リスか、またはその両方だろうなと思うけど、共圧がかかって止められない。

これが1番しんどかった!!

いきんじゃだめって分かってるのにどんどん力入るし、声が漏れる。これはもうダメだと思って病院に電話。先輩看護師さんが出てくれた。

「○○です、陣発して、今から、行きます」だけで通じて大変助かった。

夫は予約してたタクシーに電話。私はトイレから這って外へ。

このあたりから意識が朦朧とする。

朦朧とするというよりは、意識はクリアなんだけど、現実と向き合えずわざと意識の焦点をぼやかしてる感じだったな。

どうしてもコンタクトしたくて(本当は絶対にダメです。)、陣痛間欠に鬼の形相、ノールックで装着。

のちに、夫にコンタクトへの執念すごいなと思ったと言われたし私もそう思った。



2:30 タクシーがマンション前に着いたと。

「部屋まで迎えにこいや」と毒づく。2.3分ごとの陣痛に耐えつつタクシーに乗り込む。

運転でタクシーが揺れて、陣痛が来て、これがもう辛くて仕方なかった。

共圧かかってたし間隔もかなり短かったから、陣痛タクシーの運転手さんに「大丈夫ですか?」と聞かれ「だい…じょぶ…ではないっ!!!!」と答えた記憶は消したい。

次に続く。

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